昔、衣服は高かったが、長持ちした。
大学の卒業式に来ていった祖父のお古のコートは、しっかりとしていて、見た目もおかしくなかった。
やがて、衣服は、安くて、長持ちしないものになってしまった。
誰もが同じような服を買い、季節が変わるごとに買い換えるようになった。
その生活が定着した頃に、物価高のせいか、長持ちしない衣服なのに、高くなってきてしまった。
長持ちせず、値段が高いものを、季節が変わるごとに買い換える生活になってしまうのだろうか。
それは、豊かな生活だろうか。
*****
妻と話をしていて、気づいたことがある。
ちょうどいいな、と感じる値段で、納得するくらいに長持ちする衣服って、なくなったな、ということ。
安くて、ちょっとどうかな、という品質の衣服か。
そこそこの品質で、高くなったものを買うか。
そのどちらかを求められてしまう。
これって、もしかして、値段と品質がちょうどいいなと思う衣服。
そのちょうどいいところの衣服を買う人たちが、少なくなっているのかもしれない。
そういうことかな、って。
dantandho

0 件のコメント:
コメントを投稿