読み終わって、久しぶりにしばしの放心状態。
そして、じわりと感動が湧き上がってきて。
「ああ、面白かった」。
ただそう思った。
この作品で描かれているもの
この作品は、七つの章からなる。
それぞれが賤ヶ岳七本槍として数えられる武将一人一人を描いている。
相互に関連し合っているが、独立した短編から中編作品ともいえる。
もちろん、すべてを通して読まれることを前提として書かれているが。
各章は、七本槍のうちの一人の、生まれ、青春期、それから七本槍と数えられてから以降の姿を語る。
そしてその中で、石田三成との関わりが、少しずつ触れられる。
さらには、石田三成が理想とした国の在り方も語られ。
全ての章を読み終わる時、石田三成の姿が鮮やかに浮かび上がる。
浮かび上がる石田三成の姿
七本槍の各人にとって、石田三成は、知的だが、偏屈でもあり、戦が始まれば信頼のならない男、という印象を持たれている。
しかし、石田三成の、本来の人となり、理想としていたこと、やろうとしていたことを知るごとに、その人物像がジワリと変わっていく。
特に、石田三成が関ヶ原の戦いで敗れ、斬首されて以降、この戦いの後生き残った各人の心境の変化は大きい。
それぞれが石田三成の生き方、言葉、から何を読み取ったか。
何を受け取り、それぞれに引き継いだか。
それが、七本槍それぞれの人生に大きな影響を与えていく。
どうじに、石田三成の知将としての姿が、清々しく立ち現れてくる。
描かれる「怯える徳川家康」像
徳川家康は、石田三成の智謀を、石田三成の死後も恐れ続ける。
結局は、豊臣家を滅ぼし、徳川幕府体制を確立するが。
徳川幕府体制が始まってから豊臣家が大阪城とともに滅ぶまでの十年程。
その時間は、石田三成が家康にかけた呪文により得られたもの。
それにまどう家康も、その姿が描かれている。
八本目の槍(あらすじ)
豊臣秀吉の天下取りを支えた「賤ヶ岳の七本槍」。加藤清正や福島正則ら勇猛な武将たちが歴史に名を刻む裏で、同じく秀吉に仕えた石田三成は、彼らとは異なる「八本目の槍」としての役割を自らに課していました。
物語は、三成がかつての仲間である七人一人ひとりと対峙し、その本音や苦悩、そして彼らが抱える「正義」に触れていく形で進みます。世間では「計算高い冷徹な官僚」と見なされがちな三成ですが、本作では**「誰よりも仲間を想い、豊臣の行く末を案じて泥をかぶった男」**として描かれています。
なぜ彼らは異なる道を歩み、関ヶ原へと至ったのか。武勇だけでは測れない男たちの絆と、敗者から見たもう一つの戦国終焉が、鮮やかな筆致で綴られています。(Gemini作成)

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