2年半のタイ駐在を終えて帰国したのは2012年の梅雨時期。タイでは雨季の曇りがちの天気が続いていたが、日本は梅雨空で気温は低めだった。
タイではホテルが提供していたサービスアパートメントを利用していた。広めのゆとりのある部屋だったが、収納が少なかったので、日本からはあまりものを持っていかなかった。
タイでも、あまり大物は買わなかった。娘と嫁さん用に机をそれぞれ買ったくらいか。帰国の際、その机を持って帰ったので、それが一番大きな荷物になった。
冷蔵庫と洗濯機はタイで買ったが、帰国する際は置いてきた。後任の家族が同じ部屋に入る予定だったので、そのまま譲る形になった。
日本から持っていった電子ピアノも置いてきた。これは同じホテルで暮らしていた家族に少額で買ってもらった。
引越し荷物は、航空便で送るもの、船便で送るもの、それに手荷物で持って帰るものに分けた。航空便や船便で別送するものは、その価値の見積もりも行った。
お土産などは、あまり多くなかった。家族や親戚などへのものが少しだけ。同じものをたくさん持って帰るのは避けた。
帰国時は、現地法人の好意で、家族全員がビジネスクラスを利用できた。嫁さんと娘は横並びの席で、僕は斜め前方の席だった。
食事をしたり、映画を見たり、読書をしたりしているうちに成田に着いた。8時間ほどのフライト。着いた成田空港は曇り空。
空港連絡バスで、帰国後住む予定の町の近くまで移動し、そこでホテルにチェックインした。
翌日はトランクルームに預けていた荷物とともに、新しい家に入る。作業予定を頭の中で整理しながら、家族だけの穏やかな夜を過ごした。
まず、娘の学校転入手続きをしなければ。そんなことを考えていたことを覚えている。
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