2022年の北京オリンピック、パラリンピック開催期間中に起こったロシア軍のウクライナ侵攻後、急激な原油高や円安が進み、人々の意識は何となくコロナから離れた気がします。
たまたまかもしれませんが、コロナの新規感染が減少傾向の局面に入り、また重症化リスクもある程度の予測が可能な雰囲気になったように思われます。
ゴールデンウィークでは人の移動が大幅に増えましたが、それで予想された感染者数の急拡大も結局起こらず、コロナに対する人々の警戒感は弱まってきたようです。それがはっきりと現れるのが通勤時間帯の新宿駅を利用する人の数。
連休後の朝夕の通勤時間帯はコロナ前を思い出させるような人の多さになりました。人身事故があって電車が止まった時は、小田急からの乗り換え改札前後から山手線内回り外回りのホームにかけて人が通路をほぼ塞ぐほどの状況になっていました。
自分は週に1日程度、出勤当番で出社するのですが、小田急が新宿駅に近づくにつれ、電車内がぎゅうぎゅう詰めになっていきます。世の中は、何だか以前の状況に戻りつつあるように感じますね。
東京オリンピック開催に向けて提唱されていたテレワーク、オフピーク通勤なども、どの程度定着しているのでしょうか。働き方改革が唱えられてきましたが、新宿駅の様子を見ていると、結局は掛け声だけで終わってしまう気がしないでもありません。
新宿駅が混雑するのは、色々なものが都心に集まっていることによるのだと思います。働き方改革を推進し、ワークライフバランスを整え、より充実した生活を送りたいのであれば、色々なものが都心に集まってしまうという部分に対して何らかの働きかけをしないといけないのでしょう。
なぜ人は都心に集まるのか、将来的に都心部に本当に必要になるものは何か、今回はそれについて、極々個人的に考えてみたいと思います。
なぜ多くの人が都心に集まるのか
自分自身が新宿駅を利用している理由が「自分の勤務する会社の職場が都心にある」です。多くの人が同じような理由で都心に集まっているのだと思います。学生の方たちも同じですね。学校がたくさん都内にあります。
これらの理由で都心に出てきている人が、都心に来なくてもよくなるためには、会社や学校が通勤、通学の機会を減らすような方策を実施しないといけないですね。ただ、この部分、私たち個人ではどうにもならないことかもしれません。政策的な対応を求めたいところです。
例えば社員数が500名を超える会社は、オフィスのキャパシティーが人数の8割、1000名以上の会社はキャパシティーが7割のオフィスにしか入居できない、とか。そうすると自然とテレワークにする必要が生じ、通勤する人が減らせるかも。
税制的に優遇するか、逆にペナルティーを課すとか、そのくらいやってもいいと思います。東京オリンピック開催前は、都内の企業に協力要請をしていましたが、もしコロナが無ければどうなっていたかわかりませんね。法的な強制力がありませんので。
法的な根拠がないと、コロナ感染拡大の状況での、飲食店への時短営業要請が「違法」なんて判断されている状況。政府や東京都は、働き方改革を進めるのであれば、要請ではなく、法律や条例で取り組むべき問題だといえます。
テレワークやオフピーク出勤に対応できているのはどういう会社か
現時点でテレワークやオフピーク出勤が可能となる条件は次のようになります。
- テレワークに必要な設備が用意できる
- 業務の仕分けができていて明確に分担されている
- 業務フローの進捗やアウトプットが把握できる
- 打ち合わせで調整する必要が少ない
- 扱うものが情報である
ワークフローが明確かつシステム化されていて、それぞれの業務の担当者が決まっていて、日々のアウトプットが把握できれば、突発的な案件が発生しない限り打ち合わせは不要です。
突発的な、例外的な業務を担当する人を決めておけば、何かがあってもその人が対応し、他のメンバーのワークフローへの影響を最小限にできます。
また業務で取り扱うものが情報であれば、情報ネットワークにアクセスすることでどこからでも作業ができます。
現状でテレワークに対応できているのは、上記の条件を満たしているからだと思われます。
一方で、業務がワークフロー化できない、各人の業務範囲が明確に分けられない、突発的な、例外的な事態が発生する、という状況の職場は、テレワークでの対応は今後も難しいかもしれません。
実際のモノの近くにいないといけない仕事はそもそもテレワーク化はそもそも無理ですね。遠隔操作の技術のさらなる進歩を待ちたいところです。
テレワークに必要な設備の問題は、長期的には自然に解決されるものだと思います。新しい通信規格の技術が急速に開発されています。
持ち運びが容易で、ストレスの少ない通信機器が普及するようになれば、それを用いたテレワークを実施する会社も増えると期待できます。
ふと思ったのですが、軍事技術開発を推進するよりも、いろんなところで仕事ができるような技術開発の方が大事なのではないでしょうか。なんとなく、ですが。
結局、最後に都心に残されるもの
人が大勢集まる都心に、最後に残るもの。それを決めるのは、上に列挙した条件が満たされていない職場になります。
実際のモノの近くにいないといけなくて、業務がワークフロー化できず、突発的なことが発生する。その場にいる数名で話し合って決めないといけないことが多い。仕事で扱うものに、ネットワーク経由ではアクセスしにくい。
思いつく範囲で列挙すると以下になります。
- 病院、介護施設
- 都内を業務範囲とする役所等の行政機関、警察、消防
- 都内にキャンパスがある学校、その他の教育機関
- 上記の利用者、従業者を対象とした飲食店、小売店
- 上記を対象とした営業品目をもつ企業の営業拠点
同様のことが、全国の都市部にも起こるかもしれません。そうなると、都市部は今から積極的に病院や介護施設、学校などの従業者と利用者、行政機関の従業者、飲食店や小売店の従業者、利用者をターゲットとした環境整備をしていく必要があるかもしれませんね。
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人が集まるところに必要になるもの、とは
そこに行かないと特定のサービスが受けられないもの。病院、学校、役所などですね。そしてそれらのサービスは情報ネットワークのみでは受け取れません。それらのサービスを提供する場所は、都心に集約されます。
地方でも都市部に集められていますね。そして、そのサービス利用者がそこに集まる。
集まった人を対象にしたサービス、飲食店や小売店も都心に立地することになります。お客さんがいるところで商売しないといけないですから。
現時点では、潜在的にテレワークが可能な職場でも、100%実施はできていない状況でしょう。それでもテレワーク実施率は将来的には上がっていって、テレワークでは対応できない職場が都市部に残ると思われます。
東京都や地方のある程度規模のある都市部の首長の皆さんは、将来的な都市構想を様々に準備していますが、ここまで書いてきたことから、以下のものの整備が未来の都市には何よりも必要になりそうです。
是非ご一考いただければ幸いです。
- 複数の診療科を有するワンストップ医療機関
- 自活できる人から看取りを希望する人までを対象にした介護サービス、ケアハウス
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