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一度離れた心は、もう戻らない
定年後、1年間、再雇用でシニア社員として働いていた。 シニア社員としての処遇にも、働き方にも慣れてきていた。 年末のある時、会社から連絡があった。 来年度から人事制度が変わって、定年延長になるようだ。 そして、再雇用で働いていたシニア社員を、正社員にするとのこと。 新しい処遇で、定年後の再雇用ではなく、改めて無期雇用になる。 世の中は、そういう流れになってきたのか。 それほど、労働力が不足しているということなのか。 定年延長の計画があることは聞いていた。 それでも、もう定年を迎えてしまっているので、自分には関係のないことだと思っていた。 それが、正社員に戻し、無期雇用。 もう一度、定年を迎えることになった。 第2新卒のように、第2定年とでもいうのだろうか。 それにしても、定年後の人間の扱いが、数年ごとに変わり続けるのは、いかがなものか。 ***** もう、定年で、一度心は離れていた。 管理職の苦労から解放されて、穏やかに過ごせるようになっていた。 正社員になることで、またあの苦労が戻ってくることはないだろう。 もう管理職として働くことはないと思う。 処遇が多少良くなったとしても、もうやりたくない仕事はたくさんある。 あれやこれやを、定年で一度整理したのだから。 働き方は、選ぼうと思っている。 - 暖淡堂書房の書籍から - 臨済録<現代語訳> 著者:暖淡堂 現代の暮らしでは、自分自身の在り方を見失いがち。語り継がれてきた古典の言葉に、今日を穏やかに生きるためのヒントが見つかります。 Kindle版をチェック Tweet
定年後の仕事のこと 自分のために働く、自分のための時間を過ごす
定年後は自分のための仕事をする。 そして、少しだけ稼ぐ。 できるだけ長く働く。 そのために、健康でいる。 自分のための仕事を長くするために、必要なこと。 楽しめる 定年までは、仕事のために多くを犠牲にしてきた。 定年後の仕事では、自分が楽しめることを中心に置きたい。 そうすることで、多少の難しさはあっても、それを乗り切ることも楽しめる。 時々は、笑えるくらいの成果が出るものだろう。 予想外の結果を、心から喜べるようになるものだ。 あるいは、仕事の中に、自分が楽しめるものを付け加えてみる。 収入にはならないが、それをやっても、本来の仕事を圧迫しないもの。 仕事中にできる気晴らしを見つける。 長く働いてきたのだから、何かは思いつくはずだ。 勉強を兼ねる 頭は使い続けるのがいい。 そのためには、新しいことを学び続けるのが一番だ。 面白そうなことがあれば、自分でもやってみる。 そのために、多少仕事が遅れても問題ない。 もう誰も、仕事が遅れたことを咎めない。 そもそも、自分がそれをやっていることを、気にする人などいないのだ。 仕事の効率化になれば、それはそれでよいが。 効率化が目的にならないように気をつけるべきだ。 うっかりすると、仕事ばかりしている日々になってしまう。 仕事との距離は、適度に摂り続けること。 それが大事。 収入を目的にしない 定年後の仕事で、収入が目的になったら、自分の楽しみを犠牲にすることを容認することになる。 収入を目的にしないのがいい。 もちろん、収入はあった方がいい。 しかし、それは、自分の仕事が進んでいる度合いを測るため。 自分がどのくらいの速さで動けるかを確かめるため。 そのくらいの意識でいるべきだ。 もう、収入のために、自分の時間を何時間も費やしたくない。 そのために、定年前の時間を、たくさん使ってきたのだから。 家族に心配をかけない 家族に心配をかけないということが、いちばん大切だ。 無理をして、体調を崩すなどということは、もっともやってはいけないことだ。 ほどほどに、楽しげに、何かやっているのだな。 家族には、そう思われているくらいがちょうどいい。 - 暖淡堂書房の書籍から - 菅子四篇 ...
